157 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 21:45:49 ID:EMO35uwa 「宮崎駿」自身のことは、詳しくないんでアレなんだけど あんまり論理的にならずに、自分の無意識に向き合って イメージを引きずり出して作ってるらしいのは、NHKので感じた。 神話って、その共同体の集合的な無意識を反映させてるんだっけ? 158 :497:2008/08/09(土) 21:57:39 ID:oGsfp2+u >>157 そうそうそう。 なんか嫌い、とか、なんか好き、とか、 なんかこれはやっちゃいけないんじゃね? とかを 寄せ集め(コラージュ)したのが神話だって考え方があるんだよ。 その考えで行くと、「モチーフさえ提示しておけば何となく伝わる」んだ。 160 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:12:18 ID:EMO35uwa >>158 なるほど。ポニョの感想で不思議だったのが 「なんだか分からないけど涙が止まらなかった」とか、「なんだか怖かった」とか「とにかく癒された」とかいうのが目に付くこと。 論理的に説明できない人が多いみたいで、それがもしかしたら 「なんとなく」伝わったという人の感想なのかもね。 164 :497:2008/08/09(土) 22:19:49 ID:oGsfp2+u しかも、モチーフは、全世界どこへ行っても通じる。らしい。 少なくとも、未開社会のひと、っていうとアレだな、なんだ、 現代に毒されてない人たちにだったら通じる。らしい。 たとえば、シンデレラを北米インディアンに聞かせてみたら 「あーわかるわかるなるほどねー」ってなったって話がある。 166 :497:2008/08/09(土) 22:34:08 ID:oGsfp2+u 毎度の事ながらうまく説明できないなぁ・・・。 宮崎監督が、自分の作品をモチーフだらけでメッセージ性のない神話として作るのは、 まだあなた達そんなに毒されてないでしょ? わかるでしょ? って期待を込めているからじゃないかなぁ、 と思いました。 159 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:10:32 ID:RHdpbNt9 ポニョはいろんな見方が出てておもしろいね 自分は、ポニョが宗介の家にやってきてからトンネルをくぐるまでは、 単純に結婚式から老衰して死ぬまでの人生の隠喩みたいだなあと思いながら2回目を観た。 ポニョが宗介に抱きついた時に、降り注ぐ金色の水しぶき → ライスシャワー 玄関でリサがポニョと宗介の名前を呼んで確認を行う → 神父から新郎新婦への確認 船で出発 → 文字通り、二人の船出。(上々・宗介燃えてる・楽しい) 小舟の一家との出会い → 出産(さすがにポニョ自身が出産するわけにはいかないのでw) ロウソクが消えてポニョは寝てしまい、バタ足で進む → 中年期。奥さんはゴロゴロ、ダンナ必死で働く 宗介の足が地面に付いて、船が小さくなる → 定年退職と身体の衰え 空っぽのリサカー発見 → 親の死 ふたり手をつないでよろよろ歩く → 老後 トンネル → 老衰による死 って感じで。 その後のクラゲドームでのポニョママから宗介への質問は、 改めて「病めるときも健やかなるときも汝は以下略」の宣誓の儀式を行っている感じに見えた。 結婚から死までを疑似体験してきた宗介が、それでもなお、ためらいも無くYESと答えたから、 ポニョは「生まれてきてよかった。また人間として生まれたい」、と思った。 そんな話かなあと思いながら観たら、あの不思議でどこか淡々とした後半の展開が とてもカタルシスのあるものに変わった。 無理矢理かもしんないけど、そんな見方をした人間もいるよってことで書いてみたよ。 161 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:13:47 ID:vHZSdZNT >>159 これもsugeeeeeee! 167 :497:2008/08/09(土) 22:37:00 ID:oGsfp2+u >>159 すげえ。すげえ。 それ頭に入れてもっかいポニョ見たい。 168 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:47:42 ID:RHdpbNt9 >167 あなたの一連の書き込み見て、私もまたポニョ見に行きたくなった こんなのはじめてだよ 169 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:51:12 ID:MAYpHzpz おまえらの解釈怖くて面白いな 「かごめかごめ」とか「通りゃんせ」における実は怖い意味だったみたいな感じだ ポニョは佳作だと思ってたが神作品のように思えてきたw 170 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:52:12 ID:RHdpbNt9 次はトキさんの存在に注目して観てみたいなあ トキさんは宮崎監督のお母さんがモデルになってるそうで… 劇場で、終盤のシーンのトキさんの声だけが 画面外から聞こえてくるように設定されてるのも異様な感じだったのが気になる。 なかなか映画の余韻から抜けられない… 173 :497:2008/08/09(土) 23:02:09 ID:oGsfp2+u あと、神話では、登場人物たちに個性がない。 モチーフに振り回されて、物語を閉じるために無理矢理動いているように見える。 ってか、そのためにしか存在しない。 アンチのひとが 「ってか宗介って何でそんなにポニョ好きなの? おかしくね?」とか、 「こいつら何考えてっかぜんぜんわかんね」って言うたびに、 やっぱポニョは神話なんじゃね? 俺間違ってなくね? とニヤニヤしてしまうwww 俺ウゼェwww 174 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 23:08:42 ID:RHdpbNt9 トキさんとかフジモトとかリサは結構キャラ立ちしてると思うんだけど、 なんかその神話からはみ出しちゃってるかんじなのかもね 逆に違和感がおもしろいっていうか。 171 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:58:02 ID:1X+dt/H3 おお、すげぇこのスレ。 これは監督の意図したことなのか 偶然なのかはさておき、 なんか漠然と違和感感じたところにピタリとピースがはまってくw 違和感と言えば トキさんが人魚が現れると津波が来るとか言ってたのにも感じたけど ありゃなんなんだろう? 175 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 23:12:42 ID:EMO35uwa 自分で書いてコワクナッタw >>171 赤い蝋燭と人魚の話、最後に大嵐がくるんだよ。 「夜が明けると、沖はまっくらで、ものすごい景色でありました。  その夜、難船をした船は、かぞえきれないほどであります。」 あと、最後はこんな風に終わるんだね。久しぶりに見たけど 忘れていた。 「まっ黒な、星も見えない、雨の降る晩に、波の上から、赤いろうそくの  ともしびがただよって、だんだん高くのぼって、いつしか山の上のお宮をさして、  ちらちら動いて行くのを、見た者があります。  いく年もたたずして、そのふもとの村はほろびて、なくなってしまいました。」  177 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 23:36:09 ID:1X+dt/H3 >>175 なるほど、あんがと。 しかし面白いなぁ。 特に小船の麗人が大正時代の人ってパンフに書いてあったってのが衝撃だった。 あれが三途の川だとするとあの赤子のくだりはNHKで監督が言ってた話とまったく別の話になるよな。 確か赤ん坊へのスープを拒否したのはモガ母だった。 その後いきなり赤子がポニョに泣きつくようなしぐさしてたのに違和感感じてたんだが あれ見捨てないでーっていう懇願だったん???? こええええええええええええええ こええよポニョw 180 :497:2008/08/10(日) 00:12:30 ID:ieTz5azg >>171 赤い蝋燭と人魚、読んだことないんだけど、すごそうだな・・・。 「境界を越えるとよくないことが起きますよ」の典型じゃないっすか。 たまに、オリジナル作品なのに神話にすごく近いものを書ける人がいるよな。 神話って言うと物語の形じゃなきゃいけないと思われがちなんだけど、 迷信なんかも民俗学では神話と同じように研究対象になってるんよ。 「人間の知恵」を伝えるためのモチーフの断片って言っていいと思う。 ・夜に口笛を吹いてはいけない。 ・霊柩車を見たら親指を隠せ 科学的にはハァ?ってかんじだけど、 なんかしら伝えたいことがあるんだと。 人魚は津波を呼ぶよ、っていうのも、こういった迷信の一つで、意味はわからないけど、 海に関わる人たちの間で受け継がれてきた話でしょう。 だから、これを知っているトキさんは、「海の女」なんだと思う。 もしくは、夫が船に乗っている人なんだと思う。 リサみたいに、海の怖さをちゃんとわかっている人だ。 176 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 23:26:49 ID:iVGQQOyt アンチでも信者でもないんだが、自分もポニョは童話や絵本というよりも神話的な話だと感じた。 北欧神話その他を元にしたワーグナーのワルキューレの騎行もどきの音楽は勿論、 ラヴェルの「ダフニスとクロエ」そっくりな音楽もそれを意識してなのかも。 Wikipediaからの引用だが「ダフニスとクロエ」はこんな話。 >全4巻がほぼ完全な形で現存しており、エーゲ海に浮かぶレスボス島の牧歌的な情景を舞台に、 >少年と少女に芽生えた純真な恋とその成就が、恋敵との諍い・海賊の襲撃・都市国家間の戦争などの >逸話を絡めて、抒情豊かに描かれている。 181 :497:2008/08/10(日) 00:21:48 ID:ieTz5azg >>177 177 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 23:36:09 ID:1X+dt/H3 >>175 なるほど、あんがと。 しかし面白いなぁ。 特に小船の麗人が大正時代の人ってパンフに書いてあったってのが衝撃だった。 あれが三途の川だとすると、あの赤子のくだりはNHKで監督が言ってた話とまったく別の話になるよな。 確か赤ん坊へのスープを拒否したのはモガ母だった。 その後いきなり赤子がポニョに泣きつくようなしぐさしてたのに違和感感じてたんだが あれ見捨てないでーっていう懇願だったん???? こええええええええええええええ こええよポニョw もちつけーもちつけー。 こわがんないでー。 たぶん、ポニョの世界では、死ぬことを怖がらなくて大丈夫。 ってか、宮崎監督はそういう風に映画を作ってる。 死んでるかどうかより、一緒にいられるかどうかが重要なんでしょう。 赤ちゃんは、両親と同じ場所に行きたかったんだよ。 ポニョはそれを叶えてあげただけ。 ・・・だと思う。 山の上ホテルに向かう船に乗ってる人たちはみんな幸せそうだったっしょ? 184 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 00:38:05 ID:uYnABmXi >>181 楽しく読ませていただきました。 ありがとう。 なんつかお盆にぴったりw いや、やっぱり怖いよw こちらは一夜漬けどころか聞きかじりくらいの知識しかないので もしかして見当違いのことを言ってるかもしれないけど、 「境界を越えるとよくないことが起きる」というモチーフ(って言い方でいいのかな?) って、要はユングが言う所の元形のことでしょ? そりゃ此岸に生きる者としては怖いのが道理ッすよw ポルコだって怖かったに決まってる! 185 :497:2008/08/10(日) 00:40:41 ID:ieTz5azg >>184 でも、怖がるの、わかる。 ほんとは怖がらなきゃいけないんだよな。 こわがれーこわがれーって、 俺たち人間は神話を通してずっと伝えてきたんだから。 それなのに宮崎監督は、 ポニョの話で「こわがんなくてもOKOKみんな一緒でみんな幸せー」って 言い切っちゃった。 俺は宮崎駿が怖えぇよ。 186 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 00:43:20 ID:uYnABmXi >>185 >宮崎駿が怖えぇよ。 同意。 ハウルの時も思ったけど なんつか監督思いつめてないかね? 183 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 00:34:22 ID:9bUt5pBE >>173 >神話では、登場人物たちに個性がない その認識には異論があるな。 キャラクターの描写が派手な娯楽作品と比較してそう感じるだけだと思う。 神話には宗教性がつきまとうから、信心深い文士が書くと 神秘性を重視して、生々しい表現を避けるようになるんだろう。 とはいえ、神話のなかには、吟遊詩人に脚色されまくって 人間くさい神々が暴れ回るドタバタ喜劇みたいなストーリーもあったりするが。 187 :497:2008/08/10(日) 00:49:56 ID:ieTz5azg >>183 おお、トリックスターってやつだな。 でさ、俺思うんだけど、派手なやつって脇役だけで、 ほんとに話の真ん中にいる主役ほど没個性になる、 って思ってるんだけど、どうかな? 神話を料理するのが(良くも悪くも)上手なディズニーでも、 お姫様と王子様は似たり寄ったりで 個性はうまくつけられてない気がするんだなぁ。 188 :497:2008/08/10(日) 01:04:42 ID:ieTz5azg >>183 あっごめ、 今質問読み返して気づいた。 ちょっとずれてる事書いてた。 俺が言う神話は、宗教よりもっと前からある「おはなし」だから、 そこはそんな考えなくてもいいんじゃないかな、って思ってる。 神話って言い方が悪いのかな。 昔話、ならどうだ。 こぶとりじいさんもはなさかじいさんも個性ないっしょ? ってこと。 190 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 01:34:17 ID:PJg3moDB 大漁旗が飾ってあった記憶はないなあ… 画面をよくみるとそういう船があるのだろうか? あと、小金井丸がやたらに錆びていたのが気になった。 194 :497:2008/08/10(日) 01:45:12 ID:ieTz5azg >>190 わかんない。なかった気がする。 もしあそこに大漁旗を飾った船(山の上ホテルに向かった船)がなかったら、 あの船に乗ってた人たちとは再会できない、気がする。 ツンデレ園児のクミコちゃん、 宗介の船に乗りたいって言ったのに断っちゃったんだよな・・・ もう会えないんかな、やっぱり。 191 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 01:34:53 ID:tboo8R2d ハウルも擬似的平和で終結したしな。先を考えるとしょーもない感じ 一見みんな助かってハッピーだけど ハウルはあのあと人間達の殺し合いに何らかの折り合いを付けて ソフィーを守って暮らしていかなきゃいけないとしたら人間と同じことだし ポニョは人間になれたと言ってもあの世かこの世か分からん様な世界で 結局そうすけ達の方が引っ張られてしまったズブズブのエンドじゃね? 192 :497:2008/08/10(日) 01:40:15 ID:ieTz5azg >>191 やっぱそうだよな。 で、「すっげ不安定だけどいいです俺たち。また試練が出てきたらクリアしますから」 っていうことだよな。 宮崎監督自身、あの二人の行く末を心配するような発言をしてたって どっかで聞いた気がするし。 すごい人間賛歌だよね。 これからも宗介とポニョは絶対に絶対に大丈夫だ、って 信頼していなきゃこんなラストは書けない。 宮崎監督はすごくすごく人間が好きなんだと思った。 193 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 01:41:09 ID:qOy+wWK8 引っ張られたというより侵略されたという形の 融合エンドだと思う ポニョはポニョの世界を全て持ってきてしまった そして宮崎駿はその結論を 大きな○という形で肯定している 195 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 01:48:25 ID:ieTz5azg ソウスケがポニョを水に三回つけたように思うのだけど、 何か意味あるのかなぁ。 うち一回は失敗して氏にかけてたと思うのだ。 197 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 01:56:40 ID:PJg3moDB 3回目は氏にかけてたけどまた起きて水吐き出したりしてたから、 かろうじて成功したんでないか? 216 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 21:29:20 ID:qDb2kZhP >>195 真水につけるって、やっぱ意味があるのかもね。 こっちの世界にくる洗礼=境界を越える ってことかな・・・と、上の話を読んで思った。 200 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 02:26:08 ID:e9KZ/iKS おもろい解釈だね 203 :497:2008/08/10(日) 02:30:23 ID:ieTz5azg 今日はもう落ちます。 トンネルのこと、もうちょっと考えてみます。 また顔を出したら付き合ってやってください。 204 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 02:32:06 ID:PJg3moDB 乙〜 205 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 02:32:54 ID:XtnoLktK 会えなくても良いんぢょ 新世界じゃ最初から居なかった事になってるし 211 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 20:26:52 ID:sg76Pdj0 みんな泡だったから死んでもいいんだよっつうか死ねよ 216 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 21:29:20 ID:qDb2kZhP >>203 トンネルの話、待ってるよー。 また面白い解釈聞かせてよ。 217 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 21:32:54 ID:e7RLxjqb 解釈って言うな妄想って言え 218 :497:2008/08/10(日) 21:37:48 ID:ieTz5azg >>217 そうだそうだー。 みんな褒めすぎです。だまされすぎっす。 俺が言ってるのは全部俺ひとりの妄想だって事を忘れんな。 ただいま。