189 :497:2008/08/10(日) 01:26:58 ID:ieTz5azg >>149 149 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 21:09:29 ID:EMO35uwa あと、境界を越えて「向こう側」に連れていった。これはおk。 その後、宗介が問いかけに3回答えることで、ポニョの魔法が 解けた後の世界。最後のシーンは、どういう世界なの? 最後は「元の世界」とはいえない、けど「あの世」でもない、 そこからもう一度生まれ直した世界かなと自分は思ったんだけど。 夜遅くなっちゃったけど、まだいてくれてるかな。 ずっと考えてたんだけど、やっぱ分かんない。 どう受け止めればいいんだろう? クラゲのドームも卵のモチーフととれる。 そこからみんなで出てきたってから、 全員一緒に生まれ変わったことになるんだと思う。 文明だらけでどこも元の世界と変わらないように思えるけど、 ばあちゃんたちが歩ける(身体から解放されてる?)から、ちがう。 俺の一番の疑問。 最後の世界は、山の上ホテルの世界とつながってるのかなぁ。 大漁旗を飾っていた船の人たちと、最後の世界で再会できるんだろうか? 最後のシーン、漁船が大漁旗を飾ってたかどうか覚えてる人いる? 210 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 20:23:08 ID:w+KCQX5K >>189 ごめん昨日は睡魔に負けましたw > クラゲのドームも卵のモチーフととれる。 > そこからみんなで出てきたってから、 > 全員一緒に生まれ変わったことになるんだと思う。 > 文明だらけでどこも元の世界と変わらないように思えるけど、 > ばあちゃんたちが歩ける(身体から解放されてる?)から、ちがう。 そうそう、そうなんだよね。 生まれ直すために、あの世にいかなきゃらならなかった。 これは神話ではよくある話だよね? でも、何のためだろう? 元の世界と変わってないようにも思えるけど、やっぱり違う・・・ あれ? なんかメイたちの「夢だけど、夢じゃなかった!」っていうの思い出すな。 でも、ドングリの芽が出たことよりもっとはっきり、この世界を動かしちゃったんだよね。 「山の上ホテル」のことは分かんないけど、大漁旗を飾っていた船の人たちも全員「奇跡的に」無事だったらいいなと思う。 でもこれは希望的観測で、やっぱり「山の上ホテル」まで着いちゃったら、戻って来れないかもしれないけど・・・ 220 :497:2008/08/10(日) 22:05:27 ID:ieTz5azg >>210 >ドングリの芽が出たことよりもっとはっきり、 >この世界を動かしちゃったんだよね。 うん、たぶんそう。でもそれってさ、 「生まれ変わるためには一度死ななければいけない」からさ、 元の世界での「死」を象徴的に意味するんだよ。 今までは「生きろ。(ただし、元の世界でね)」だったのが、 ポニョでは >>211が言ってるみたいに 「みんな泡だったから死んでもいいんだよ」 って境地にたどり着いてる。 そこに、宮崎監督の並々ならぬ決意を感じてしまうんですよ。 226 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 22:31:00 ID:qDb2kZhP >>220 >「みんな泡だったから死んでもいいんだよ」 > って境地にたどり着いてる。 こういう境地は、理念としては前からあったよね。 でも今回、そこを実際に「越えさせて」みせた。 (津波はやっぱり起きている) で、さらにそこを越えた場所≒元の世界で 逞しく「生きる」ってとこに行き着いてるのが、 すごいかなぁと思ってみた。 実はしっかりおいてけぼりくらってたけどね、自分w 221 :497:2008/08/10(日) 22:10:51 ID:ieTz5azg そういえばリサカーのナンバープレートって 「333」なんだってな。 ってことはやっぱキーワードが「3」って合ってるんじゃね? やっべえすげえうれしい。 222 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 22:15:51 ID:qDb2kZhP >>221 え、そっから「3」の話してるかと思ってたよw 本人気がつかないことってあるんだねー 292 :名無シネマ@上映中:2008/08/11(月) 00:25:18 ID:d3+BTAZR 天使の数字って知ってる?(神秘術の数字でもいいけど) 333って、アセンデッドマスター(超越した人間とその霊魂)を示す数字なのだそうです。 333の車のナンバーには、人間の霊魂を期限とする神に近い存在が 守ってますよっていう意味もあるかも。 294 :名無シネマ@上映中:2008/08/11(月) 00:28:37 ID:d3+BTAZR 天使の数字(ゾロメ) 参考ページ 運命数<3>の解説 「僕は3の説明をするときに、よく「子供」に例えます。 3は子供が持つ良さ、特徴をそのまま持っているからです。」 「何も得なくても良い、何も達成しなくても良い、何も努力しなくてもよい。 今のままの人生を、100%楽しめるとしたら、どんなものにも勝る幸福実現法ですよね。 それが「人生を楽しむこと」であり、その才能を持っているのが子供、特に小学校に入るまでの幼児です。 子供たちの姿を見ていると、ないたり笑ったり、怒ったり哀しんだりと、感情を100%感じながら、目いっぱい人生を楽しんでいます。 そこには、人生に対する憂うつ、不安、無気力、絶望は微塵も感じられません。 子供は人生を楽しむ達人といってもいいでしょう。」 まさにリサとこの映画 225 :497:2008/08/10(日) 22:30:29 ID:ieTz5azg よし。いきます。 なんか本腰いれて書き始めるときは緊張するなぁ。 みなさんの書き込み見てると、 いまさら神話だのモチーフだの理屈つけなくても 俺がトンネルについて言いたいことはもう何となくわかってもらえてるような気がする。 宮崎監督がなんの説明もしないのは、その「何となく」の感覚を大切にしてほしいからだとも思っている。 228 :497:2008/08/10(日) 22:40:55 ID:ieTz5azg 人間の知恵としてのモチーフは、説明不要の全世界共通語みたいなものだ。 俺たちはちゃんと「覚えてる」。 たとえば、ポニョが宗介の血を舐めたら半魚人になったって話。 心から「ハァ?なんでだよ?」ってなった人、少ないんじゃないか? 229 :名無シネマ@上映中:2008/08/10(日) 22:41:02 ID:5yJtDljB 信者スレか・・・ 230 :497:2008/08/10(日) 22:43:43 ID:ieTz5azg >>229 信者スレっす。 加えて今日は一歩間違うとオカルトチックな話になるので要注意。 いつも心に「これはただの一個人の妄想」ってのを念頭にいれておいてね。 232 :497:2008/08/10(日) 22:46:13 ID:ieTz5azg たとえば、やくざ映画でおっさん同士がお互いの血をなめ合って 「これからは兄弟じゃああああ!」とか言うとき、あーはいはい、ってなるっしょ? この「お約束」が、神話で言うところのモチーフね。 神話学では神話素とか言うらしいよ。 243 :497:2008/08/10(日) 23:08:03 ID:ieTz5azg 神話素を使って人間性のおおもとに迫ろうとすると、 どうしたってオカルトチックになってしまう。 そうは誤解してほしくないので、 俺の意見は一歩引いた目で読んでもらうくらいがちょうどいい。 -------------------------------------------------------------------------------- 290 :497:2008/08/11(月) 00:18:52 ID:v2sOGyoS トンネルの前。 立っているのは、父の庇護から卒業して大人になった宗介と、 人にものをあげることを覚えて大人になったポニョだ。 境界を越えやすい体質に、「女・子供」であることが挙げられる。 子供から脱却している時点で、境界を越える「試練」はハードルが一つあがってる。 293 :497:2008/08/11(月) 00:27:55 ID:v2sOGyoS ここで、ポニョが「ここキライ」と言う。 いろんな人が引っかかってるセリフだと思う。 例によって宮崎監督の説明はない。 観客が何となくわかってくれることを信じているからだ。 何でキライなのか? そこがトンネルだからだ。 トンネルってのはそういうものなんだからしょうがない。 297 :497:2008/08/11(月) 00:34:12 ID:v2sOGyoS で、好き勝手に妄想できる立場の俺は、トンネルがモチーフとして呼び起こす感覚を もっとはっきりオマイラにわかってもらいたいと思う。 これさえわかれば、俺がどうポニョを楽しんだか理解してもらえると思うので。 トンネルは、「血を飲むこと」と同じくらい現代人の俺たちもまだ色濃く覚えている神話素だから、共有できるはずだ。たぶん。 無意識に、なんか引っかかる「場所」でしょ? 怪談の舞台によく使われてたりするじゃん。 300 :497:2008/08/11(月) 00:43:08 ID:v2sOGyoS オレンジ色の明かりのともる高速道路を走っているとき。 地下鉄の窓から外を見て、ぽっかりと続く線路を見たとき。 大きな不安と、ちょっぴりワクワクする感じ。 みぞおちのあたりがざわざわするあの感覚を、俺たちは知っているはずだ。 ぽにょは、トンネルの前で「ここキライ」って言った。 なんでだ? トンネルだからだ。 そういうものだ。 理屈抜きで、わかってもらえただろうか。 301 :名無シネマ@上映中:2008/08/11(月) 00:44:51 ID:4CFVTwA3 >>300 わかるお( ^ω^) 302 :497:2008/08/11(月) 01:01:50 ID:v2sOGyoS >>301 ありがと。 いやほんと、こうして書いてると宮崎監督の凄さがよくわかるわ。 俺、まだ、「やっぱわかってもらえないんじゃね?」 って思っちゃってるもん。 宮崎監督が観客を見下してるとか言う人いるけど絶対嘘だよ。 人を信じてなきゃつくれない、こんなの。 304 :名無シネマ@上映中:2008/08/11(月) 01:20:25 ID:SPMLBrCz ここのスレには初めて書き込む。 ID:v2sOGyoS、おまいの妄想、読み物として面白いぞ。 おまいは空気を読むいい椰子だから気にするかも知れないが、 ときどき荒れるのは気にしなくていいぞ。お仕事でやっている人たちだから。 おまいさんの書くキワモノ的妄想には「価値」がある。 信者でも安置でも、その「価値」をジャミングしようとは、普通は思わない。 取り敢えず最後までは語らせるのが当たり前だ。 続けれ。 306 :497:2008/08/11(月) 01:27:46 ID:v2sOGyoS >>304 ありがと。 いや実は、>>300を書いた時点で相当消耗した・・・ 続き書こうと思ってるんだが筆が進まぬ。しばし待て。 こんなに長く文章書くの初めてなんよ。 自分の気持ちを本気で表現するのって疲れるんだなぁ。 たかが2ちゃんのチラ裏でこの有様じゃ、 本職のクリエイターさんたちはどんなだか。尊敬するわ。 307 :497:2008/08/11(月) 01:53:32 ID:v2sOGyoS トンネルの感じをつかんでもらった後では蛇足でしかないが、 一応解説を加えておく。 トンネル、というか、筒状の通り道は、産道・女性の膣のメタファーだ。 そこを通り抜けることは、 ・ 生まれること、新しいところに行くこと ・ 生まれる前に戻ること、さかのぼること を意味する。 あちら側に行くことと、戻ってくる事を同時に表現する意味の広いモチーフだ。 310 :497:2008/08/11(月) 02:26:55 ID:v2sOGyoS トンネルは通り抜けることそれ自体が試練だ。 トンネルを通るものは、その途中で、今までいた世界で与えられたもの全て剥奪されて、 真っ裸の存在としてその場にさらされる。 ポニョは未完成の魔法で人間の姿をしているだけだから、 トンネルを通るうちに魔法が解け、元の半魚人の姿になってしまう。 311 :名無シネマ@上映中:2008/08/11(月) 02:29:13 ID:d3+BTAZR >>310 >ポニョは未完成の魔法で人間の姿をしているだけだから、 >トンネルを通るうちに魔法が解け 生命の水により得た魔力が時間切れで効力失ったとかじゃないんだ? ってか、その両方か? >>311 ここで俺の言う魔法は、「3回生まれ変わりを疑似体験すること」なので。 ポニョはこの時点ではまだ2回しかできてないから、 未完成なの。 313 :497:2008/08/11(月) 02:32:00 ID:v2sOGyoS ここで二つ、トンネルを使った試練の話が出てくる 本物の神話をご紹介。 千と千尋の神隠しの時にも元ネタと指摘されていたし、知っている人も多いかもしれない。 まず、ギリシャ神話に出てくるご夫婦から。wikipediaから引用。 __ オルペウスの妻エウリュディケーが毒蛇にかまれて死んだとき、オルペウスは妻を取り戻すために冥府に入った。 彼の弾く竪琴の哀切な音色の前に、ステュクスの渡し守カローンも、 冥界の番犬ケルベロスもおとなしくなり、冥界の人々は魅了され聴き入った。 ついにオルペウスは冥界の王ハーデースの前に立ち、竪琴を奏でてエウリュディケーの返還を求めた。 オルペウスの音楽に心を揺さぶられたハーデースは、 「冥界から抜け出すまでの間、決して後ろを振り返ってはならない」 という条件を付け、エウリュディケーをオルペウスの後ろに従わせて送った。 目の前に光が見え、冥界からあと少しで抜け出すというところで、 不安に駆られたオルペウスは後ろを振り向き、妻の姿を見たが、それが最後の別れとなった。 __ 317 :497:2008/08/11(月) 02:39:53 ID:v2sOGyoS 次。古事記のご夫婦代表、イザナギ・イザナミさん。 イザナミさんは難産を煩って死んじゃいます。 __ イザナギは、イザナミを取り戻そうとして、黄泉国へと赴いた。 黄泉に着いたイザナギは戸越しに、 イザナミに「あなたと一緒に創った国土はまだ完成していません。帰りましょう。」と言ったが、 イザナミは「黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、生き返ることはできません」と答えた。 (注:黄泉の国のものを食べると、黄泉の住人になると考えられていた。 これを「よもつへぐい」と言う。) さらにイザナミは 「黄泉神と相談しましょう。お願いですから、私の姿は見ないで下さいね。」 と言い、家の奥に入っていった。 イザナギは、なかなか戻ってこないイザナミに痺れを切らし、 自分の左の角髪(みずら)につけていた湯津津間櫛(ゆつつなくし)という 櫛の端の歯を折って、火をともして、中を覗き込んだ。 すると、イザナミは、すでに美しきイザナミではなく、 体は腐って蛆がたかり、声はむせびふさがっており、 体には8柱の雷神(八雷神)がまとわりついていた。 (中略) 318 :497:2008/08/11(月) 02:41:12 ID:v2sOGyoS (続き) これにおののいたイザナギは逃げ帰ろうとしたが、 イザナミは自分の醜い姿を見られたことを恥じて、 黄泉醜女(よもつしこめ)に命じて、イザナギを追わせた。 イザナギは、蔓草(つるくさ)を輪にして頭の上に載せていたものを投げ捨てた。 すると、葡萄の実がなり、黄泉醜女がそれを食べている間、逃げた。 しかし、まだ追いかけてくるので、右の角髪(みずら)につけていた 湯津津間櫛(ゆつつなくし)という竹の櫛を投げた。 すると、たちまちタケノコが生え、黄泉醜女がそれを食べている間、逃げた。 だが、またさらに、イザナミは先ほどの8柱の雷神と黄泉の国の兵士達(黄泉軍)に イザナギを追わせた。イザナギは、十拳剣で振り払いながら逃げたが、それでも追ってきた。 ようやく黄泉の国と地上の境である黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本に着いた時、 坂本にあった桃の実を3つ投げたところ、追ってきた黄泉の国の悪霊たちは逃げ帰っていった。 ここで、イザナギは、桃に「人々が困っている時に助けてくれ」と言って、 意富加牟豆美命(おほかむずみのみこと)と名づけた。 最後に、イザナミ本人が追いかけてきたので、 イザナギは、千人がかりでなければと動かないような大岩で 黄泉比良坂をふさぎ、悪霊が出ないようにした。 その岩をはさんで対面して、この夫婦は別れることとなる。 この時、イザナミは「私はこれから毎日、一日に千人ずつ殺そう」と言い、 これに対しイザナギは 「それなら私は人間が決して滅びないよう、一日に千五百人生ませよう」と言った。 これは、人間の生死の由来を表している。 __